2012年05月13日

【小咄】幽助&蔵馬「弱くなったわけ」

幽助「はあ……」
蔵馬「幽助、どうかした?」

幽助「いや……なんでもねえ」
蔵馬「だったら、手を動かす。先は長いんだから。新聞とチラシの分別でも、結構なバイト代になるんだからね」


幽助「……おい、こういう時は普通、なんでもないってことはないだろ≠ニか、言わね? こんだけデケー溜息ついてんだしよ……」
蔵馬「なんでもないってことはないんだろうけど、大したことじゃないのも見当ついてるから」

幽助「……そうかよ」
蔵馬「そう」

幽助「つーか、オレの悩み、見抜いてんのか?」
蔵馬「見れば分かる。手にしているのが、パチンコのチラシという時点で」

幽助「あっそ」
蔵馬「そう」


幽助「…………」
蔵馬「…………」

幽助「なあ、蔵馬」
蔵馬「何?」

幽助「桑原の野郎ってよ……カンいいだろ?」
蔵馬「まあ、家系だろうね。静流さん見てたら分かるよ」

幽助「けどよ、昔は全っ然分かんなかったんだぜ? あいつがカンいいなんて、憑依しやすいってこと知った後も知らなかったしよ。ばあさんに初めて会った時の試験まで、全っ然な。オレの方がぜってーカンいいと思ってたのに、そん時完敗しちまってよ。あ、カンだけだぜ。他は勝った!」


蔵馬「……それで? 本題はそこじゃないだろう?」

幽助「ああ、それは前置きっつーか、そこ踏まえてよ。……オレ、あんまりカン良くねえのかと思って、それなりにショックでよ〜。賭け事しばらく控えてたんだけどよ」
蔵馬「……当時いくつ?」

幽助「14」
蔵馬「……ちなみに、酒は?」

幽助「10から」
蔵馬「……似ない子供たちでよかったね」

幽助「どういう意味だ、それ」
蔵馬「そのまんま言葉の通り」

幽助「そうかよ。――んでよ。まあ、そんなずるずる引きずるのも面倒で、すぐにやり始めたんだが、普通にカン働くんだよ。魔族になった後なんざ、今まで以上にな。でかいバクチもぜってえ外さなかったし、屋台と探偵業やらなくても、それだけで喰っていけそうなくらいだったつーか」

蔵馬「…………(呆)」


幽助「それがよ……何か、結婚した頃から、全然ダメになっちまってよ。いくらやっても、見事に外す。いや、外さねえ時もあるが、博打打ちとしては話にならねえ程度でよ。屋台の常連も、ラーメン食べには来やがるが、もうバクチの相談とかは全然してこねえっつーか」

蔵馬「まあ……当たらなくなったんなら、ラーメンを食べにきてくれるだけ、有り難いんじゃない?」

幽助「そりゃまあそうだけどよ。競馬も競輪もパチンコも全部ダメになっちまって、螢子にも毎度散々怒鳴られて……今や、こうして歩合制のバイトで細々とやってるなんざ、前は考えられなかったことだぜ……」

蔵馬「堅実だろう?」
幽助「性に合わねえんだよ!! 結婚に後悔はこれっぽっちもねえが、何でいきなりカンが消えちまうんだよー!!」

蔵馬「まあ必然だね」
幽助「…………。……は?」

蔵馬「というか、今まで気づいてなかった?」
幽助「何が?」


蔵馬「師範の試験のことは、コエンマから聞いて知ってるよ。霊感応力がボロボロだったって」
幽助「コエンマの野郎……(怒)」

蔵馬「けど、必然だったんだよ、それは」
幽助「何で」


蔵馬「言った通り、桑原くんのカンの鋭さは家系によるもの……それは、はっきり言って生まれもったものだから、鍛えようもない。そして、幽助は元々霊感応力が低い。つまり、カンは弱いってこと」
幽助「はあ!? じゃあ何で、カンの鋭い桑原に負けなしでいられるんだよ!?」

蔵馬「喧嘩にはもちろんカンも必要だけど、それ以外が勝っていたら、勝ちようなんていくらでもあることくらい、幽助が一番分かってるんじゃないのか? カン以上に心が読め≠スって、他が負けてたら、相手にならなかっただろう?」

幽助「そりゃ、まあ……な」


蔵馬「魔族になるまで、バクチが勝ってたのは、カンじゃなくて運が強かっただけだろうね。その分、二度も死んだわけだけど」
幽助「……差し引きゼロってことかよ。何か納得いかねえ」

蔵馬「元のカンが弱いんだから、そんなものだよ」
幽助「…………」


蔵馬「魔族として覚醒したことで、多少の霊感応力……妖感応力は補われたかもしれない。いや、内在する妖気が圧倒的に増えたことで、霊力の弱い人間の乗る競馬や競輪、つくられたパチンコなんかは、充分に察せられる力が身についてたんだろうね」

幽助「……じゃあ何だって、結婚した途端にボロ負けすることになんだよ」


蔵馬「簡単な話。幽助の妖気を相殺するくらい強い力が傍にいれば、当然元々弱いカンはダメになる」

幽助「……それってつまり……」


蔵馬「まず、結婚後すぐに蕾螺が生まれただろう? 影陽術者は、周囲の悪いものを緩和させようとする力がある。更に4年後にはルナが生まれた。潜在能力は幽助よりも上。妖気もここで抑えられてしまう。そして、寵はラル……他の力で補われていただけの幽助のカンというのは、3人の力であっさり消えてしまってるってこと」

幽助「…………」


蔵馬「ということで、子供が全員巣立つまでは、バクチは禁止続行ということで」
幽助「全員って……ユエは関係ねえんだろ?」

蔵馬「一度落ちきったカンは、そう簡単に戻らないよ。螢子ちゃんに捨てられても問題なくなった頃なら、やってもいいんじゃない?」

幽助「……一生すんなってことかよ、ようするに」

蔵馬「それは君次第♪」

幽助「…………」



 終



 ***



 それでも幽助くんのことだから、たまにパチンコに走って、負けて、螢子ちゃんの雷くらってるんでしょうね〜(笑)
posted by rio at 16:27| Comment(0) | 小咄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月04日

【小咄】碧くん&蓮「関係ない」

 ※いちおう、狐白さまの「千年双狐」より、少し後の時間軸のつもりです……。



碧「…………」
蓮「…………」

碧「…………」
蓮「…………」


碧「……平和だな」
蓮「ああ」

碧「トーナメントも終わったしな」
蓮「次は、100年後だったか」

碧「段々間隔が空くな。参加者が減っているから、仕方ないけど」
蓮「死んでも文句を言わない≠フが、大前提ルールだからな。最近の若い奴らに合わないんだろう」

碧「まあ、人間界じゃあ、殺人とかわらないからな。場合によっては、事故死ですむかもしれないけど。――どっちにせよ、考え方が似通ってきている」
蓮「人間界との垣根がなさすぎるのも問題だな」


碧「退屈?」
蓮「そうでもない」

碧「オレも」
蓮「だろうな」

碧「昼寝三昧も悪くない。他にすることないし」
蓮「そうだな」


碧「そういや、蛍明は?」
蓮「5年ほど前に会った」

碧「元気だったか?」
蓮「ああ。――苦労もあるようだがな」

碧「母親≠ノなって、もう1000年近くになるからな。子孫も結構いるんだろうし。色々あるか」
蓮「種の混ざり具合が凄まじいからな」

碧「でも、楽しんでもいるんじゃないのか?」
蓮「多分な。――おれには分からん」

碧「オレも」
蓮「チビっこいのがいるだろう?」

碧「まあ……それでも弟∞妹≠チてのとは、違うと思う」
蓮「そうか」

碧「実際には出来てみないと分からないんだろうけどな」
蓮「ああ」


碧「…………」
蓮「…………」

碧「……そういや、この間、煙鬼のおっちゃんに言われた」
蓮「おれもだ」

碧「そっちもか」
蓮「まあな」

碧「ひょっとして、孤光さんとかも?」
蓮「ついでに、酎や鈴駒にもな」


碧「何てこたえた?」
蓮「お前と同じだろうな」

碧「そっか」
蓮「ああ」

碧「なんだって、皆同じこと言うかな?」
蓮「おれが女で、お前が男だから。後は古い知り合いで、ガキがいないのが、おれたちだけだから、だろ」

碧「単純だよな。オレたち、全然そういうのじゃないのにさ。ただの腐れ縁っていうか」
蓮「言わせたいヤツには言わせておけばいい。おれには関係ない」

碧「オレにもないな」
蓮「なら、それでいいだろう」


碧「…………」
蓮「…………」

碧「平和だな」
蓮「ああ。――それでいい」







 ***


 蓮は多分一生結婚することってないってないと思う……というお話を梅流さんとしてたら、碧くんも、ということでしたので。
 1000年後も、こんな風に仲良し(?)でいてくれたらな〜と思って書いてみました。
posted by rio at 13:53| Comment(0) | 小咄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする