2011年11月29日

【小咄】蔵馬&躯「似たもの同士」

「え? 蓮ちゃん、また家出?」

 その日、蔵馬は久方ぶりに、魔界の移動要塞「ムカデ」を訪れていた。


 人間界で、家族を持ち、人間の仕事についている彼は、本来の故郷である魔界へは、滅多に来ることはない。
 三年に一度のトーナメントに出場する際と、当番制で回ってくるその実行委員になっている時以外には。

 魔界へ迷い込んだ人間を保護する仕事については、魔界に長期滞在せねばならなくなるので、人間界に定職がある妖怪は免除されているためだった。
 ただし、知り合いと思われる人物が紛れ込んだ際には、こうして呼び出されたりもするのだが。


 今回、蔵馬が来訪したのは、迷子である中年の女性の記憶を飛影が読み取った結果、どうやら蔵馬と面識があることが分かったためである。

 しかし、いざ到着してみれば、飛影の姿はなく。

 とりあえず、その女性(高校の時の古典担当教師だった)を送り届ける場所の手続きをした後、どうしたのかと躯に聞きに行ったところ、帰ってきた返事が、コレだったのだ。


「ああ。もう三日になるか」
「それで飛影、いないのか」

 それが二人娘の一人である蓮を探しに行っているわけがないのは、蔵馬もよく分かっている。
 躯の言葉を待たなくとも。

「お前が来る数秒前に、ダッシュで飛び出していったぞ。保護活動をサボればサボるだけ、その仕事は長引くからな」
「あはは、ギリギリまでやっていったのか」

 ようするに、飛影がいないのは、蔵馬に会いたくない……というだけで。
 その理由も、よ〜〜〜く分かっていた。


「そんなに嫌かな? オレに親子喧嘩、ひやかされるの」
「お前のところのは、ひやかしようがないからな。子供が一方的に怒って飛び出していくなど、よくある話だ」

「飛影は本気で蓮ちゃんと大喧嘩するからな……面白くて仕方がない」

 にやにやと笑う蔵馬に、躯は夫と娘をからかわれているのは重々承知で、

「だろうな」

 と、至極納得。

 無理もなかった。
 彼女自身、同意見でしかなかったから……。



「それにしても……不思議なこともあるな」

 出された魔界のドクダミ茶を飲みながら、蔵馬がふと疑問を口にした。

「何がだ?」
「飛影のこと。――蓮ちゃんとは、すぐに喧嘩するんだなと思って」

 ふうっと軽く溜息をついて、蔵馬は続ける。


「考えてみれば、飛影はあまり……所謂、互角の喧嘩≠ヘ、しない方だから。――桑原くんとするのは、ほとんど一方的に桑原くんが吠えているだけだし。今となっては実力差がありすぎるから、仕方ないけど。――幽助との喧嘩も、聞いたところそう多くはない。飛影の皮肉も、あれが飛影だから、仕方がない≠ニ思ってるようだし。そもそも、幽助もアレで、桑原くん以外とは殴り合いも滅多にしないしね」

「まあ……あそこの息子たちは、殴り合いの対象にはならんからな。老若男女区別しないとか宣っている割には、女に本気は出せんらしいし」
「あ、オレはそれも思った」

「雷禅とはしていただろうがな」
「確かに」

 話がやや脱線しかかって、蔵馬が戻す。


「オレとは喧嘩もないし」
「……それは後が面倒だからだろう」
「おそらくは。躯とは、一回だけだっけ? 痴話喧嘩」
「言うな……」

「他に喧嘩するような相手もいないし……蛍明ちゃんは、一緒に暮らしていないのもあるが、帰省してきた時も、しないだろう?」
「しないな。」


「それが蓮ちゃんとだけは……よく喧嘩するからさ。内容はさておいて、殴り合い? 普通にするんだって?」
「するな。おかげで、よく壊れる」

「どうしてかなと思って。二人とも、短気だろうけど、それ以上に面倒事の方が嫌いなのに」

 なかなかに酷いことを言って、蔵馬はまたお茶を飲んだ。
 躯は全く怒っていなかった。

 そして、少し考えてから、


「……似てるから、だろうな」

「は?」

「あいつら二人、よく似てる」

 自分なりの答えを蔵馬に語った。



「飛影と蓮はよく似てる……顔だけじゃなくて、性格もな」
「確かに」

「だが、一番似てるのは……立場が同じってことだろう」
「立場?」

「あいつら二人とも、長男長女だ」
「まあ……そうだろうね。飛影には姉もいるけど、ほとんど会っていないだろうし。蓮ちゃんも双子とはいえ、長女。実質二人ともはじめっこ≠ゥ」


「雪菜は未だに本当のことを知らんし、蛍明も蓮を姉≠ニは、そう意識してはいまい……だが、本人たちは違う。日頃はかなり無意識に、いざという時には本気で、上の兄弟≠ナあることを意識する。そこがよく似てる」

「……オレも、兄弟の上だけど、そこまで意識はしていないけど?」

 蔵馬にも弟がいる。
 血は繋がっていないが、四つ下の弟。
 前世からの因縁の続く不思議な関係だった。


「お前は逆だ。向こうがお前を兄≠セと意識しているだろう。だから、それが当たり前になっている」
「ああ、なるほど」

 当たり前の兄弟関係に、飛影と蓮の葛藤は当てはまらない。
 すぐに察し、蔵馬は躯の言葉を待った。


「飛影も蓮も、妹≠スちは意識していない分、意識してしまっている自分に苛立つんだろう。それをお互いの中に見ている。だから、よく喧嘩する。あいつらが喧嘩をしているのは……父であり、娘であり、自分自身だ」

「なるほどね。流石は、奥さんでお母さん」

「……そういう言い方するな」

 珍しく照れているらしい躯に、蔵馬は少し驚いて、それから立ち上がった。



「そろそろ帰るよ。飛影と蓮ちゃんが帰ってきたら、よろしく言っておいて」
「ああ。帰ってきたらな」

「いつ頃かな」
「三日前の様子だと、今回は後二日ほどだろうな」

「なるほど♪ 流石は、」
「もう言うな……」



 終



 ***



 何となく、飛影くんと蓮の関係性なんぞを……即興ですけど(おい)
 家族喧嘩、小さい頃はよくやりましたが、高校卒業した辺りから、滅多にしなくなりましたね。
 喧嘩する労力と時間が惜しいというか……。
 手の出る喧嘩に至っては、小学校の時に終わりましたから(理由:姉妹喧嘩の場合、力の差がありすぎて、私の圧勝になってしまうから……/爆)
posted by rio at 11:15| Comment(0) | 小咄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月20日

【魔龍】確か、出したことあった……ような??

 物覚えの悪さも大概に……ですね(苦笑)

maryu.png

<設定>

・名前は、魔龍(まりゅう)。由来は、西海龍王第一子・魔昴から。前は確か、別の名前だったと思うんですけれど……。

・梅流さん一行に同行している白い馬(西海龍王第三子)と、前に描いた朔龍の兄。天上界に住む、龍王一族の1人で、西海龍王の長男。

・瞳は紫のかかった藍色で、龍の宝玉も同じく藍色。

・紺色の長い髪をしているが、人前で下ろすことはなく、室内であっても兜を被っており、きつく三つ編みをしている。理由は、壊滅的な爆発ボサボサヘアを誤魔化すため……。本当は切りたいところなのだが、長男なので天上界の式典などにも参加を余儀なくされており、その際に短髪は許されていないから。別に髢(かもじ)でもいいのだが、若さ故に本人が嫌がっている。

・長兄なので、弟思いのしっかり者だが、実は4人兄弟中、最も気が短く、負けず嫌いで、怒りっぽい性格。

・後に、妖狐さんに対して、敵対心を抱く予定(←おい)。サラサラヘアに嫉妬しているわけではなかったと思いますが(苦笑)



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2011年11月19日

【聖】多分、初出し。

 多分、今まで書いてた部分では、出番なかったと思うんですが……どうだったっけ??

hiziri.png

<設定>

・基本的には、聖(せい)と名乗っているが、本名は聖(ひじり)。

・いつも、肩に白い子犬を載せているが、実は伸縮自在で、聖の意志次第で牛よりも巨大な化け犬にもなれる(*……全然関係ないですが、本来、飼い犬を肩に載せるのは、主従関係が逆転してしまうので、よくないことです。とはいえ、主従関係がしっかりしてる場合は、問題ないそうです/苦笑)

・天上界で一番偉い人である天帝≠フ親戚(妹の子)。外戚であるため、また下界出身のために、天帝の継承権はない。が、当人は気にしておらず、むしろ天上界にいない時の方が多い。

・髪の色は翠色。中黄色の両眼とは別に、第三の眼が額にある。色は紅。

・ひょろりと細身だが、天上界でも一番強いのでは…と囁かれている。

・一見、男の子のようだが、実は女の子。

・かつてはロングヘアで、誰がどう見ても女の子にしか見えなかったのだが、ある一件で髪を切り、聖(ひじり)ではなく、聖(せい)と名乗るようになった。

 ……まあ、一件というのは、よくあることなんですが。
 天上界でも、蔵馬さんはモテていたってことで(この作品だけでも、梅流さん以外で3人は惚れてるもんな〜……)

 さて、いつ登場させられるかな〜??
posted by rio at 15:08| Comment(0) | キャラ設定・パラレル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月18日

【絵】蕾螺くん、おめでとう!

2011raira.png

 今日はもう一方、誕生日が!

 蕾螺くん、お誕生日おめでとう!!

 ……イラストがあんまりバースデイっぽくないんですが(汗)
 先日、海里凌さんのブログにて、「汝は」を読んで、描きたくなってしまったもので……。

 メイン7人の中で1人だけ「人間」だってこと、すっかり忘れていたのですが。
 そんな自分自身を理解っている蕾螺くん、素敵です。

 これからも、皆の「おにいちゃん」、手のかかる弟妹たちとともに、がんばってくださいねー!
posted by rio at 17:06| Comment(0) | イラスト・お誕生日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【絵】綾子さん、はぴばです!

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 今日、大津綾子さんのお誕生日ですね!

 おめでとうございます!!

 崇樹さんは、幼少時、妖狐蔵馬さんと黒鵺さんと一緒に暮らしていた頃があったので、3人一緒に描いてみました!
 よかったら、お持ち帰りしてやってくださいです!
posted by rio at 16:57| Comment(0) | イラスト・お誕生日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする